チャットのこれから

私たちが人間である以上、文明を保ち続けている以上、「テキスト情報」というものと付き合わないわけにはいきません。道路上の標識、ニュースや新聞などの見出し、仕事上必要な書類など、私たちは常に「テキスト」と共にあります。コミュニケーションの方法のひとつとして「会話」があります。言葉を口にして、音声でやり取りを行うのです。ですがそれが可能な局面は案外限られています。遠く離れた取引先に電話をしても、相手が外回りでいない。携帯に電話しても商談中で出られないとなれば、「テキスト情報」で何かを残しておくのが常識になっています。

チャットはメールと電話の中間に位置しているといえます。即時的であるのに、履歴をたどることができ、内容を整理することが可能です。電話などの口頭の会話は、リアルタイムで流れていきます。案件が複雑であった場合、その時の内容をメモしておかなければ「言ったか言わなかったか」、そして「聞いたか聞いていないか」が曖昧になってしまうこともあるのです。個人の記憶に頼るようなことになってしまうのです。私たちの「記憶」はとても曖昧です。だから必要な情報を外部に残すのです。あとで参照して、その時に何があったか、その時にどのようなやり取りがされたのかを記録するのです。ですが、会議の場などで会話が錯綜していると、それを正確にメモることも困難になるかもしれません。

チャットはそのような状態を打破できる側面があります。個人でのコミュニケーションの他にも、仕事で使用することが可能になっているのです。

今後、世の中の「働き方」は多様化します。発達したインターネット回線と情報端末は、どのような仕事でも「どこでも」行うことを可能にする潜在能力を持っています。職場がなくなり、自宅ですべての仕事が可能になる日も近いのです。もちろん、個々の仕事は集合し、組織に昇華します。組織での活動に昇華させるためには、「コミュニケーション」が必須です。Skypeを使えば音声での会議も可能です。それをテキスト上の整理されたものにすれば、会議はもっとスマートになります。「議事録」が必要なくなるのです。「ログ」をたどればどのようなやり取りをしたのかが一目瞭然だからです。

インターネットの技術は常に進化しています。高速で便利に、そして端末の演算能力も格段に進歩しています。「通勤」というコストに必要性が感じられなくなった場合、私たちの職場は自宅になるかもしれません。その瞬間に、私たちは新たな働き方と新たなコミュニケーションの「常識」を手に入れることになるのです。そのような時代の流れの中で、「チャット」は再度見直される重要なコミュニケーション方法です。インターネット黎明期から存在するシンプルなコミュニケーション手段が、時代の最先端のビジネスツールになる日が来るかしれません。そこにあるのは「テキストを記す、テキストを読む」という古来から続けてきた私たちの知的行動です。私たちは「考える」生き物です。テキストはそれを整理するために必要不可欠な要素であり、情報を刻み付けるための媒体です。

チャットは今後も廃れることはありません。世の中の進化に伴って、ますます必要なるのではないかと考えられているのです。

 

チャットで手軽にコミュニケーションTopへ戻る