「LINE」もチャットです

パソコンのアプリケーションとして愛用され、スマートフォン市場に乱入した「Skype」とは対象的なのが、最初からスマートフォンでの利用を想定された「LINE」というサービスです。このサービスもアプリで提供され、Skypeと同じようにインターネットを介したアプリ間の無料通話が利用できるものです。

LINEとSkypeの違いは、「使用される前提」にあります。Skypeはパソコン上のアプリケーションの延長線上として存在し、そのサービスを利用する人がそれぞれ固有のIDを持っています。互いのIDを知らなければSkypeでは何のコミュニケーションもとれず、それはいわば「メールアドレス」のように互いに教えあわなければいけないのです。もちろん、一度IDを知ってしまえば、「フレンド」として登録できるので、互いにオンラインの場合はいつでもコミュニケーションを開始することができます。

対してLINEはスマートフォン前提のアプリケーションなので、その利用は「インストールされた端末」単位になるはずです。スマートフォンはもともと「電話」としての機能が軸としてありますから、その「アドレス帳」にはそれまで連絡先を交換した相手の電話番号やメールアドレスが登録されているのです。それはリアルな「コミュニティ」であり、自身の持つ人脈です。「LINE」はそれを読み込みます。

すでに構築された人間関係、コミュニティを利用することで、LINEではリアルな知り合い、携帯電話の番号を互いに知る人同士が「自動的に」フレンドとして登録されるのです。そこには「IDを教えあう」というような「手間」はありません。アプリをインストールし、起動し、利用登録をした瞬間にアドレス帳のデータにアクセスし、その情報をキーにしてオンライン上で「関わりのあるLINEユーザー」と紐付けを行うのです。

mixiやフェイスブックでは、自身でフレンドを探さなければいけません。それはある意味、リアルを超越したネット上のやりとりになるのですが、LINEはその垣根を破り、「実際の知り合いは最初からフレンド」という驚異的な仕組みを構築したのです。これにより、LINEのフレンドを増やそう、という取り組みは実質的に不要になりました。アプリを立ち上げれば、すでにフレンドが登録されているのです。それは互いに見知った間柄の人たちです。すでに連絡先を知っていて、互いに「LINE」を利用していれば、即座に「フレンド」としてコミュニケーションが取れるのです。LINEはさまざまな機能を有していて、コミュニケーションの方法も多彩です。もちろん「無料通話」も当たり前のように実現されています。

「即時性」を超えた「手っ取り早さ」が「LINE」の最大の武器です。インターネットコミュニティでフレンドを探すのは面倒なものですが、LINEではその手間を省き、一気に自分の友人たちとアプリを介してコンタクト可能になるのです。LINEを使うことでインターネットコミュニケーションがリアルの場面においても実現し、圧倒的な利便性は「使わない理由がない」というほどです。ただ難点なのは、こちらが相手の電話番号を知らなくても、相手が知っていればフレンド候補として表示されるという点です。過去に因縁のあった相手や、出来れば関わりたくない人ともLINEで繋がってしまうかもしれません。

 

チャットで手軽にコミュニケーションTopへ戻る