姿を変えていくチャット

現在では「即時的」なサービスは当たり前になりました。その即時性はインターネットに接続する端末の小型化、高性能化によって新しく生まれたニーズです。例えば、携帯やスマホを片手に「今どこにいるのか」を知りたいと思えば、その場で自分の位置表示付きの地図を見ることができます。「ここからあそこに行きたい」と思えばそのルートをすぐさま表示させることができます。それが「即時性」です。

そのような「地図サービス」に接続するのもインターネットです。ただ、そこには自分の座標データを取得するためのGPS機能が付加されています。インターネットの基本機能に加えて座標取得という新たな機能が融合したことにより、「地図」は冊子から電子データに生まれ変わったのです。また、それを片手の内で実現する端末の性能も外せません。片手でらくらくと扱えるモバイル端末が、現在ではパソコンと同じようにインターネットに接続し、その場で情報を得ることができるようになったのです。そのような端末が誰でも使用できるようになると、そこに生まれるニーズは当然ながら「即時性」だったというわけです。

地図を見たい時に見れる、そして知りたい情報を知りたい時に知ることができるというのは、20年も遡れば考えられないことでした。電話をしたければ家の固定電話か公衆電話でした。それが今では一人ひとりが電話もできてインターネットも出来る多機能な高性能端末を持ち歩くようになっているのです。そして、インターネットへの接続も「有線」から「無線」へと進化しています。家庭内、職場内のLAN接続であっても、無線での接続が可能になったのです。いわゆるWi-Fiです。そして携帯端末の回線は3G回線からLTEへと進化を続けている途上です。インターネットは誰でも、どこでも、いつでも使用できる状態になりました。

そうなると、これまでのチャットはそのままでは少し使い辛いのです。従来のように固定のサイトに「入室」し、同じサイトを参照している誰かとコミュニケーションをとるということは、少し手間に感じてしまうのです。10年前には当たり前だったことが、現在では途方もなく不便になる。それが「進歩」です。その進歩に追いつけないサービスやコミュニティは、残念ながら淘汰されるほかないでしょう。チャットサイトは「サイト」ではいけなくなったのです。「いつでも」コミュニケーションがとれるような仕組みは、端末の進化、回線の高速化の流れの中で「必然」的なものでした。

現在では何かのコンテンツやサービスをWebを通じて提供したい場合、Webサイトだけがそのカタチではありません。現在のインターネットは「スマホ」にとって変わられようとしています。スマホにはスマホ上にインストールできる「アプリ」を提供することが必須です。いくらWeb上での利用を呼びかけたところで、「ブラウザ」もひとつのアプリにしか過ぎませんから、そのとなりに並ぶ数々のアプリと比べると「Webサイトにアクセスする」ということは「面倒」なのです。これからの時代に何かサービスを提供するのであれば、スマホアプリの開発と配信は必須になるでしょう。Web構築だけではなく、アプリケーション開発のスキルが今求められています。

 

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